特別じゃないお弁当

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平日の朝は、静かに始まります。

朝4時45分頃、まだ眠たいまま、台所に立つ。
ご飯を圧力釜で炊いて、野菜を切って蒸し野菜を作る。

特別なことは、何もありません。

お弁当の中身は、蒸し野菜とお肉を炒めたものと卵焼き。
豪華でもないし、彩りが完璧でもない。

でもこれが、我が家の“普通”です。

冷凍食品は基本的に使いません。
理由を聞かれたら、うまく説明できないかもしれない。

ただ、朝に自分の手で詰める時間が、私は好きだし、自分の役目だと思っています。
前日の残りではなく、朝作った出来たてのものを入れたい。という思いがあります。

でも、万が一寝坊した時や手抜きをしたいときの為に、
秋川牧園のチキンナゲットと、崎陽軒の真空パックシュウマイは常備しています。

子ども達のお弁当を作ってもう10年以上になります。

最初からこのスタイルになったわけではありません。
ときどき、SNSで流れてくるお弁当をみることがあります。
思わず、ため息がでるような美しさ。
小さなおかずがいくつも並び、色も形も整っている。

すごいな、と思う。
素敵だな、と思う。
そしてほんの少し、比べてしまう自分がいる。

「もう少し、がんばった方がいいのかな」とか、
「これでいいのかな」とか。

でも、朝の静けさの中、台所に立っている私はそんなに焦っていません。

ご飯の炊ける匂い、蒸し器からの湯気、卵焼きを作るときの音。
朝の台所は、私にとって小さな整えの時間でもあります。
眠たいままでも、包丁を持ち、湯気を見ていると、少しずつ自分の呼吸が戻ってくる。
そして、お弁当を詰めながら思うのです。
今日も元気でいられますように、と。

たぶん私は、料理をしているというより、子ども達への想いを
静かに確かめているのかもしれません。
その時間の中では、これでいい、と思えている。
今日もちゃんと作れた、自分で詰めた、という思い。

それだけで、気持ちが少し落ち着く。

子どもたちにいつか、「ママのお弁当ってどんなだった?」
と聞いたら、
「安心するお弁当だった」
そう言ってもらえたら、それで十分だと思う。

豪華じゃなくていい。
映えなくていい。
ただ、安心できること。

それが私の特別じゃないお弁当です。

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